泣いて綺麗になる美容法“涙活”夏の一冊~「永遠の0」~

ライフスタイル 2017.08.09

悲しみの涙も心のデトックスに!

涙活でキレイになる本「永遠の0」

女性がキレイになるための方法はさまざま!
スキンケアやエステ、ヘアメイクやダイエット…でもそんな美容法の一つに「涙」という方法があることを知っていますか?
泣くことで脳がリラックス状態になることが医学的にも証明されていて、自分から泣くことで心身ともにキレイになれる効果が♪

今回は、少し悲しくも感動できる、夏に読んでおきたい一冊をご紹介します。

特攻で亡くなった祖父を追いかけて

涙活でキレイになる本「永遠の0」イメージ

物語は、司法試験浪人の健太郎がフリーライターの姉・慶子に頼まれて、戦争で亡くなった祖父の調査依頼することで始まります。
亡くなった祖父は戦争で亡くなりました。現在の祖父は、祖母が子供を抱えて再婚した人で、母も孫とも血はつながっていないものの、本当の家族として大切に育ててくれた存在。
なぜ今、会ったこともない亡くなった祖父のことを調べるのか…健太郎は疑問に思いながらも調査を始めます。

特攻で亡くなったことくらいしか分からない祖父・宮部久蔵という人物について、戦地で一緒に戦った人に話を聞いていくことになります。

「天才だけど臆病者」。祖父・宮部久蔵の姿とは

涙活でキレイになる本「永遠の0」飛行機イメージ

26歳で亡くなった祖父・宮部久蔵を知っている人に話を聞くうち、「天才的な腕を持った臆病者のパイロット」という人物像が浮かびあがってきます。
海軍に入隊して当時世界最強と言われた零戦の戦闘機乗りとなった宮部のことを語る人たちは、みんな口をそろえて「命を惜しむ人間だった」と言います。ラバウルやガダルカナルといった激戦地でも、宮部は異常なまでの用心さと飛行技術で生き残りました。「妻に生きて帰ると約束した」と言って自分の命と同時に、部下や戦友たちにも「必ず生きて帰れ」と言っていた宮部。そんな彼がなぜ特攻で命を落としたのか…

特攻へ向かう際、宮部はひとりの予備士官に飛行機を替えてほしいと言います。ところが宮部が乗る予定だった飛行機はエンジントラブルのため引き返すことになり、乗っていた予備士官は生き残りました。逆に飛行機を替わった宮部が未帰還に。もし飛行機を替えなければ宮部は生きていたはずです。なぜ宮部は執拗に飛行機を替えてくれと言ったのかというと、その答えは健太郎たちの祖父が知っていたのです。

祖父が語った真実に涙…

祖父もまた、宮部とともに戦った戦友だったのです。そして2人は同じ日に特攻への出撃命令を受けることに。
宮部が最後に飛行機を替わってくれるよう頼んだ予備士官は、祖父だったのです。宮部は飛行機のエンジントラブルに気が付き、一度命を助けてもらった祖父に、その飛行機を譲ったのです。自分が生き残れる可能性を、あれほど命を惜しんできた宮部は手放したのでした。亡くなった祖父と、命を託された祖父。2人の祖父の真実に、涙…。

戦後70年以上が経ち、今を生きる私たちのほとんどは戦争を知らない世代となりました。
戦争とは何なのか。それを私たちは知る由もありませんが、こうした一冊を手に取ることで考えるきっかけになるのではないでしょうか。

悲しく切ない中にも感動に心が震える一冊です。


吉田英史

早稲田大学大学院教育学研究科修了。老人ホーム、学校勤務を経て、感涙療法士として、医療や福祉、教育の現場あるいは、最近では自治体、企業等で涙活(るいかつ)を広め、患者や生徒、職員等の心の健康をサポートする。泣くことの美容効果にも注目し、女性向けの涙活イベントやテレビ、新聞、雑誌など多数メディアで活躍中。